Saturday, March 2, 2013

Musica Parana


アルゼンチン・パラナーでの出来事。
パラナーはとても美しい街で、街には何か特別な空気が流れている気がした。
基本は料理を学ぶ旅として各地方を回っていたが
パラナーではいつしか音楽の出会いに満ちた奇跡の旅になっていった。

幸運にも訪れることのできたカルロス・アギーレさんの自宅にて、bar buenos airesのCDに収録されるための「Andando」のレコーディングに立ち会ったその後、アギーレさんが「パラナーでは会ってほしい音楽家がたくさんいる。これからガリに会いに行こう」と。僕は聞いたことのある名前だったので「もしかして!『caminos』で演奏されている作曲家ですか?」(そんなに流暢に話してないですが..)と尋ねると、アギーレさんは「そう!そして私のピアノの先生なのです」とにこりとうなずき、僕たちと、キケ・シネシさん、アギーレさんのマネージャー"ガビー"さんの計5人で車を走らせ連れてってくださいました。こうした個人的体験なのでふせていましたが、なぜ僕たちを会わせに連れて行ってくれたのかと思いめぐらすと、もっとパラナーの音楽家を日本で紹介してほしいと願っているはずだと気付き綴らせていただきます。さかのぼること約2年前アギーレさんが初来日した2010年10月、東京でのウェルカムパーティで演奏された時に「私だけでなくアルゼンチンには素晴らしい音楽家がたくさんいる。」とご謙遜され、故郷の音楽を演奏されていたことが印象的でした。その中に『caminos』に収録のガリ・ディ・ピエトロ作曲の「llovizna」という曲があったのです。

話はパラナーに戻り、車を走らせること約15分。途中、名作『violeta』のギタリスト、アルフォンソ・ベケス邸に寄り、道中、信号待ちをしている女性に「ナタリア!」と車から手を振るかと思いきや「『rojo』の2曲目を書いている作詩家のナタリア・ダマディアンだよ」と、驚くことの連続。そしてようやく日も暮れたころにガリ・ディ・ピエトロ邸へ到着。京都の長屋に似た細長い入口を抜け、年代物の扉の向こうにガリさんは笑顔で迎えてくれました。穏やかな照明に照らされた部屋にはびっしりと本が積まれておりテーブルの上には無数の楽譜が散らばっていました。突然アギーレさんとガリさんのセッションが始まり、オリジナル曲を数曲演奏。「Puentes」という曲ではガリさんのピアノに合わせアギーレさんが歌詞を見ながら歌い上げ、演奏後に抱き合う2人は涙し、その美しい瞬間にこちらも胸が熱くなりました。僕たちが行く先々で音楽家の方々が「日本人は私たちの音楽を理解しているのか?」の答えに対しアギーレさんは静かに胸に手を当て「彼らは心で聴くんだ」と。実際日本に来たアギーレさんが日本のファンから感じたことをアルゼンチンではこうして皆に伝えているのかと思い、この言葉に感動し僕たちは涙してしまいました。こうしてガリ・ディ・ピエトロさん宅を後にし、パラナー滞在最後の時間はあのLuz de Aguaのメンバーと出会った奇跡。そして、僕たちはキケ・シネシさんとブエノスアイレス行の夜行バスに3人で乗るべく、バスステイションへ送ってもらいました。バスが出発する直前、ガリ・ディ・ピエトロさんが駅まで来られキケ・シネシさんへ自身の楽譜を渡していました。2人は今回が初対面のようでしたが意気投合していたようです。こうして音楽家は共鳴していくのですね。僕たちには1枚のCDを手渡され見たこともないジャケットからはどんな内容なのかも想像できず、「アスタ ルエーゴ!!」と車窓から手を振りパラナーを後にしました。バスの車内でキケ・シネシさんが「パラナーの音楽は特別だ、私もパラナーに住みたいよ」と冗談交じりに笑顔で話されていたのが心に残りました。

そして本題の今回入荷したCDがそのガリ・ディ・ピエトロさんのCDです。
僕は手渡された1枚しかなかったためパラナーからの入荷は
大洋レコード伊藤さんの尽力により実現しました。
ありがとうございます。

rompeviolaは作曲家ガリ・ディ・ピエトロの呼びかけでパラナーの音楽家を集め長年の音楽アイデアを演奏して具体化したアンサンブルのこと。フュージョン、クラシック、ジャズロックをフォルクローレで解釈したオリジナル曲を、質の高い演奏で約10年かけとじ込めたのが本作です。聴くほどに味わいが増す決して素通りさせてくれない音楽。待望の入荷です!
例えばCarlos Aguirre / OrillaniaJuan Pablo di Leone / Sin Paloが好きな方は特にグッとくるものがあるのではないかと思います。シルヴィア・サロモーネやフルート奏者のルイス・バルビエロなどアギーレ・グルーポのメンバーも多く参加しており、アギーレさんのピアノソロも収録。また、アルバム通して起伏のある展開とハーモニーや複雑な曲の構成のクオリティの高いライヴ音源もいくつか収録し、アギーレさんの最初のピアノの先生だけあってパラナーの音楽として何か共通性も感じます。

●rompeviola  (Gari Di Pietro)  2.100円 (在庫△)

CDはすべて通販も承っております。
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(photo by Nobuhiko Nakamura)
ガリ・ディ・ピエトロ宅にて。(photo by Nobuhiko Nakamura)
ガリ・ディ・ピエトロと奥様と。(photo by Nobuhiko Nakamura)


ガリ・ディ・ピエトロさんインタビューのバックで流れている曲がすべて収録されています。