Thursday, September 26, 2013

20130925 Kazuma Fujimoto & Shikou Ito Live Report


かすかに夏の湿度が残る秋風が頬をかすめる的形の港。
満席の会場が静かに響めいた藤本一馬(g)×伊藤志宏(p)のライヴ。
共に尊敬しあい、分かち合い、高め合う、実力伯仲の二人は、
想像していた”音楽の対話”を遙かに超えた高い次元で共鳴していた。
各会場で異なる緩急ついた絶妙な曲順や凌駕する即興演奏。
時に虎と龍のごとく繰り広げられる熱いセッションや、
切なく美しいメロディーに心が幾度も涙した。

間15分ブレイクタイムを挟んだものの2度のアンコールを含め約3時間、
大河ドラマ並みのスケールで聴衆を魅了した。
このツアーのために書いたという伊藤志宏さんの新曲も素晴らしく、
是非他会場へも足をお運びいただきたいと思います。
ダブルアンコールでは藤本一馬さん作曲「光に包まれて」。
日本の平和、そして世界の平和を祈るような、
聴き終わった後は幸せに包まれる美しい曲でした。

遥々姫路・的形までお越しいただいた皆さま本当にありがとうございました。
皆さまの思いも実り天候にも恵まれ素晴らしいライヴになったことを有り難く思います。
藤本一馬さん、伊藤志宏さん、Fish for Musicさん、Moderado Music 岡本さん
どうもありがとうございました




バルコニーから星空と山を借景にステージを望む。


2人で意見を出し合いながら入念なリハーサル。


Monday, September 23, 2013

Musica de Rosario



今までハンモックカフェ店内でBGMとしてかけていると「今かかっているのは何ですか?」と、多く問い合わせもいただいていながら、廃盤のため入荷できなかったこの2枚。BlueArtから2013年エディションとして待望の再発売(限定アルゼンチン盤)!

●Rumble Fish / Der mar hallado  (2nd)  2,300円 (在庫○)再入荷!

●Rumble Fish / Los viajes del dia  (3rd)  2,300円 (在庫△)再入荷!

眠れるロサリオの財宝が今、時を越えて奇跡の再発!
水運で栄えたアルゼンチン第三の都市ロサリオにて結成されたRumble Fish。エグベルト・ジスモンチや、アントニオ・カルロス・ジョビン、オレゴン、パット・メセニーなどに影響を受け、アコースティックに、室内楽的に穏やかに、彼らの故郷である沿岸リトラル地方特有の瑞々しさをブレンドしたオリジナルコンポーズ中心で美しく昇華。

1992年に、ロサリオ交響楽団出身のGaston Bozzano(コントラバス)、のちにLuz de Aguaを結成するClaudio Bolzani(ギター)、ホルヘ・ファンデルモーレ・グルーポの初期メンバーTuti Branchesi(ドラムス)の3人で結成。1996年にEl Muecín Recordsより1stアルバム『ENSAYOS』をリリース。様々なフェスティバルに出演した後、新メンバーManuel Cerrudo(ピアノ)を迎えた4名で、ロサリオの名門ジャズレーベルBlueArtからリリースした作品が今回入荷した2作品です。

「”オデッセイア” は素晴らしい本で、その一節が頭の中にあったんだ。それで、このアルバムのすべての曲が、ホメロスが見つめていたであろうエーゲ海の世界へつながるように意識した、あの、安息の地というシンプルな世界へ(輸入元翻訳より引用)」と、ブックレット中で語っている名作2ndの『Der mar hallado』(2003年)は、現地新聞や雑誌、評論家からも高い評価を受け、海底にゆらめく気泡のように淡く弾けるサウンドが印象的。ロサリオの音楽シーンを培ってきたJuancho Peroneがパーカッションでゲスト参加も見逃せない。続く3rdアルバム『Los viajes del dia』(2008年)は、曲によりフリューゲルホルンやトランペット、フルートが加わり、Carlos Aguirreがアコーディオンと作曲でゲスト参加。浮遊感溢れる至極のアンサンブルとなり、前作よりコンテンポラリーに美しさを讃えた作品になっている。また、この2作品ともリトラル地方の美しい音楽には高い確率で名前がクレジットされているロサリオ在住のRoxana Rainoldiがジャケットデザインを手掛けています。


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余談ですが....


昨年アルゼンチン・ロサリオを訪れた際、ギジェルモ・リソットさんの案内でCCPEを訪れたのですが、そこで偶然にもRumble Fishのコントラバス奏者ガストン・ボッサノさんとお会いしました。とても優しい語り口(ギジェルモによる通訳を介してですが)で、CCPE館内を案内してくれました。ガストンさんの奥様はあのエテル・コフマンのようで、妙にうなずいてしまいましたよ。また、3rdアルバムの撮影場所がロサリオだと自分の中で何か確信しておりCDも持参していたのですが、国旗モニュメントからのびるメインストリートを歩いていると見つけました! あの後ろの黄色はバスだったんですね。街を走るバスは新しくなっていましたが、アルバムジャケットと同じようなサングラスをかけコートを着た女性が偶然写っていました。道端で写真撮ってる変な日本人だと思われたかも知れませんが、近くに:e(m)r;ショップもあったのですから興奮せずにはいられませんでした(笑)

これまた偶然にも数日後に訪れたパラナーで会うことが出来たクラウディオ・ボルサニさんに、「このジャケットの場所に行ったよ」と、なんとか拙い英語で伝え、撮った写真を見てもらうと「この場所だよ!なんで分かったの!」と、ロサリオに行ってその場所を探す日本人はいないでしょうからそれは驚いたでしょうね。食の旅をしていた僕たちだったのに何をしていたのやら(笑)。もちろんサインもして頂きました! 

写真左上から時計回りに、 
2作品の貴重な1stエディション→ CCPE→ 説明案内するガストン(右から2人目がガストン・ボッサノ、その左横がギジェルモ・リソット)→ ジャケットになったロサリオのメインストリート
(この4枚の写真はすべて2012年10月に中村信彦が撮影)


素晴らしい作品です。試聴しなくても大丈夫ですので是非皆さまのお手元にどうぞ。

※ 通販方法はこちら


Saturday, September 21, 2013

La Melancolia Maravillosa de Argentina


素敵な音楽が多く創造されるのは素晴らしいことだと思います。
その中からお薦めのアルゼンチン音楽を販売していく選盤の際に思うこと。
「初心忘れるべからず」

ハンモックカフェとして音楽を販売していく中で、
時期をマイペースに判断し、独自の観点で厳選しておりますが、
現地のライヴを体験したせいか、深くかかわりすぎているとか、
文章が重すぎる(笑)とか抽象的すぎて何か分からない文章に
なっていることも度々(笑)。

そんな時、いつも気持ちを初心に戻してくれるアルバムは、やはりこれです。”美しいアルゼンチン音楽”として最初にコンパイルされた記念的アルバムでもあり、今となっては入手困難の貴重音源もいくつか収録。帯に記載してある”心の調律師のような音楽”とは正にその通りの素晴らしいネーミングだと思います。また、コンピレイションの醍醐味である曲順と選曲を橋本徹さん、そして、ライナーノートにはイマジネイションが広がる美文の吉本宏さんの黄金コンビ。

水滴が描く波紋のように静かに広がるセバスチャン・マッキのピアノが美しい曲で幕を明け、弦の音との調和が印象的なセシ・イリアスの繊細な歌声と口笛、アンドレス・ベエウサエルトの音の幽玄美、サウダーヂ感溢れるアカ・セカ・トリオの「maricon」など全20曲。心鎮まる詩情と映像美に溢れた音の桃源郷から届いた名作が連なります。このコンピレイションにカルロス・アギーレの曲が1曲も収録されなかった理由は後で知ることになったのですが、結果Cremaの国内盤の再発に繋がり、自然と良い流れが出来ていきました。

●美しき音楽のある風景
~素晴らししきメランコリーのアルゼンチン~   2,400円 (在庫○)再入荷!


「アルゼンチン音楽を聴くにはどれがいいですか?」
と、お客様に尋ねられた時、まずこのコンピレイションをお薦めします。
”美しさ”と”アルゼンチンらしさ”のちょうどいい距離感の曲が収録されているからです。
最初が肝心で初めてアルゼンチン音楽に触れるお客様が
これからもっと聴きたくなるか、それとも、もう聴かなくなるか...

写真の後ろに映っているアルバムは、
このコンピレイションに収録されているアルバム達です。
もし、収録されている曲に興味を持ったら、コンピレイションから
自分の好きな音楽家を探していくことも愉しみの一つだと思います。
.

2010年アルゼンチン音楽に夢中になっていった時の文章を読み返し、
ハンモックカフェがアルゼンチンへ向けて
大きく舵を切ったあの運命のひとときに戻って、
三歩進んで二歩下がる精神でこれからも販売してゆきます。



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アルゼンチン音楽が初めての方には、
インパートメント稲葉昌太さんによる、3年前の記事の
日本で広まった美しい経緯も是非どうぞご覧くださいませ。
理解が深まると共に、音楽には無数の想いが詰まっていることに気付かされます。
↓↓↓↓↓↓
『2010年静かなるムーヴメント素晴らしきメランコリーの世界とカルロス・アギーレ』


※ 通販方法はこちら


Friday, September 20, 2013

Lotus roots fields in HIMEJI



2008年より初秋のこの時期に、
姫路・大津で収穫される完全無農薬レンコンを使っています。
先日の定休日にレンコン農家タムラさんへ訪問し、
畑の様子などお話を伺ってきました。

レンコンの旬は朝晩の寒暖差が大きくなる11月頃だそうですが、
今収穫されるのは若く、アク抜きなどの下処理も不要で、
加熱してもきれいな白さのままです。
やわらかいのですりおろしてレンコンニョッキを作り
季節サラダに添えてご提供しています。

冬になると味が濃くなりレンコン特有のもっちりとした食感も楽しめます。
初秋から冬季にかけて、タムラさんの収穫がある期間は
季節野菜として使わせていただきますので、
レンコン料理のレパートリーも増えるかも? 
乞うご期待くださいませ。







Wednesday, September 4, 2013

Siete paisajes en Argentina vol.6


ハンモックカフェ店内にてアルゼンチンでの旅の7各地の風景
"Siete paisajes en Argentina"を約1カ月周期でお送りしております。

第6回8月31日より、アンデス山脈付近のラ・リオハ州とサン・フアン州に変わりました。

キケ・シネシさんが出演するGuitarras del Mundoを観るため、ブエノスアイレスからバスで14時間かけて向った街ラ・リオハは、年間雨量が極端に少なく国内でも最も乾燥した地域。そこからレンタカーで400km駆り世界自然遺産イシワラストの"Valle de la Luna(月の谷)"へ。約2億年前からの海底が隆起し風化で出来た大地は化石マニアの秘境でした。食事はリオハ風カルボナーダやリオハ風エンパナーダ、名物ウサギ料理、スィート・サパージョのCayoteやナッツ料理など食すことができ、シエスタの習慣が残る街は人がまばらでしたが、カメラを向けるとみな笑顔で温かい人たちが迎えてくれました。今回は32点展示しています。毎回楽しみにご覧くださっている方ありがとうございます!

Monday, September 2, 2013

Antonio Loureiro Live Report 20130831sat


アントニオ・ロウレイロ姫路公演へお越しくださった皆さまありがとうございました!
1週間前から気になって仕方がなかったライヴ当日の天候。
予報では台風直撃の進路だったものの、
皆さまの祈りが届いた雨の降らない奇跡の時間となりました。

正直なところ凄い演奏を観てしまったというのが率直な感想。
混沌とした音の粒子がダイナミックに集成されていくような先の読めない展開と
革新性あるピアノタッチに静寂を宿した歌声が融合した比類なき音楽に圧倒され
慎ましやかなロウレイロさんの人柄の中に強い意志も感じた素晴らしいライヴでした。
晩夏の夜に虫の鳴き声や船の揺れる音も入り交った濃密な体験は
かけがえのない記憶として一生の宝となりました。

ロウレイロさんの招聘と企画に尽力されたNRT成田さん。
素晴らしい音響で演出して下さったPAの徳竹さん。
物販を担当していただいたmoderado music岡本さん
手伝ってくれたスタッフたち、ありがとうございます!
もちろん県内からも多くの方がお越しくださいましたが、
遥々は、群馬、新潟、東京、滋賀、京都、大阪、岡山、鳥取、広島、福岡、から
まるで日本横断しているような各地からご予約下さった今回の公演。
そんな皆さまの熱い想いに支えられながら、
ライヴ当日の2013年8月31日を迎えられたこと深く感謝いたします。

また当日限定の料理やドリンクなどもお楽しみいただきましたこと、
やはり飲食店として一番やりがいを感じることでもあります。
どうもありがとうございました!