早春の夕暮れ、狐雨のあときれいな虹がかかっていた。雨粒と陽射しが混ざった不思議な光景の中、中島ノブユキさんの最新作・映画『悼む人』のサウンドトラックを聴いていると、なぜか目に映るもの全てが愛おしく感じた。
ピアニーノとグランドピアノを用いた録音は過去と未来を往来しているかのようで、ストリングスは情景を喚起させてくれる。そして、セルフライナノーツで語られている「静かではあるがしかし意志の強い音」のコンセプトと同じく、ジャケットとライナーそして帯、盤面に至るまでシングルトーンで統一され、潔さと凛とした佇まいはこれまでの作品からより研ぎ澄まされたように感じた。また、この作品は中島ノブユキさん主宰レーベルSOTTOの第1弾作としてリリースされた記念作でもあり、これから始まる中島さんの新たな音の航海への門出となるアルバム。多くの方の手元にそっと寄り添うことを願ってハンモックカフェからもおすすめさせていただきます。
⚫︎中島ノブユキ / 映画『悼む人』サウンドトラック
2778円+税
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