「音楽は静けさと動きを生み、インスピレーションが生まれ、リラックスし、イメージを呼び起こします。音楽は流れ行く川のように去り、同じ存在であることは二度とありません。」by Pablo Juarez(Latina誌777号インタヴューより)
水の悠久の流れのように感情の赴くまま奏でられるパブロのピアノ。各公演はアルバム『Solo Piano-El Amanecer De Los Pajaros(鳥たちの夜明け)』からのピアノソロを中心に、アルゼンチンの詩的風景を投影した即興を織り交ぜた演奏を予定。東京調布公演の千秋楽は、ピアノソロも演奏しつつ、現在パブロが注力しているトリオ編成にてリリース予定の新作からの楽曲と、フォルクローレ×室内楽ジャズの名作『Sumergido』からも演奏予定です。
Pablo Juárez / パブロ・フアレス 1980年 アルゼンチン・ロサリオ生まれ。多方面の音楽グループで活躍していた父親の影響で、6歳の時バンドネオン奏者からフォルクローレの手ほどきを受け、8歳から音楽教育を学び、青年期にはコスキン音楽祭に3年連続出演。パラナー川の河岸で過ごした子供の頃から、彼にとって音楽と自然は関連したもので、その風景は詩であり音楽であった。南米諸国の音楽や北米のジャズやポップスにも影響を受け、様々な音楽を通して、音楽とは伝統的なものからコンテンポラリーまで、絶えず探求する道だということを学ぶ。 2007年よりブエノスアイレスを拠点にジャズ・フォルクローレシーンで活躍。Franco Luciani、Marcela Passadore、Miryam Quiñones、Georgina Hassan、Silvio Rodríguez、Jorge Fandermoleらとの共演や伴奏、25作品を超える録音参加、ドキュメンタリーTV『Uniendo Destinos』の音楽制作を手がける。自身の名義初作品は2011年『Sumergido』、このアルバムは新鋭ミュージシャンを紹介するサイトClub Del Discoに選ばれ、日本でも2枚のコンピレイションアルバム『bar buenos aires』『Quiet Corner』に収録された。2015年 シンガーJulián Venegasとのデュオ作『Dos Cauces』をリリース。 現在ロサリオにて活動し、2017年 Hugo Fattoruso、Carlos Aguirre、Andrés Beeuwsaert、Alexander Panizza、Lilian Sabaらと共にピアノ・フェスティバルへ出演のほか、シルク・ドゥ・ソレイユでの生演奏や、ウルグアイ各地での演奏セミナー開催など、多岐にわたり音楽交流を深めている。2018年 ピアノで自然界の音の表現を試みた作品『Solo Piano – El Amanecer De Los Pájaros』を録音し初の日本盤としてリリース。2019年12月初来日公演を各地で開催。
穏やかな秋の気候のなか、海や川をテーマにした選曲もあり、カルロス・アギーレさんの温厚な雰囲気がそのままの会場全体を包み込んでいたような優しくそして静かに熱を帯びた演奏会になりました。初共演となる内田輝さんのソプラノサックスとの相性は筆舌に尽くしがたい美しさの2曲となり、ダブルアンコール前の「Los tres deseos de siempre(永遠の3つの願い)」のエピソードは2010年初来日の時をも想い出し、胸に込み上げるものがありました。